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ホンソク、あなたはきっと最後の恋

  まずはこちらをご覧ください。

 

bitchvoguejp.hatenablog.com

 

 『Truly, My First Love』から早5ヶ月が経とうとしている今、我々は残暑の真っ只中。そして私は、夏(正確には梅雨以降)が大嫌いだ。体調も悪くなるし、何より憂鬱になる。そんな折、ZICOの新曲が届いた。

 

 

 

 めちゃくちゃ夏が嫌いじゃん。信頼できる……。

 そして私は、夏が嫌いな気持ちを歌にして、出来る限り夏を機嫌よく過ごすという生き方もアリなのだと気付かされた。

 

 数日後、梅雨真っ只中の部屋の中は暑さと湿気が渦巻いていて、私は苛々していた。その苛々を発散するかのように、即興で大声で歌を歌った。

 

雨が降ったら傘をさすけど

心の雨はどう防いだらいい?

 

 歌詞とメロディが一緒に出てきた。

 こういう事は稀に起きる。「2019」という曲の大サビはすべて即興だった。

 

linkcloud.mu

 

赤い唇 燃えている 確かに

あなたの歩幅 優しい吐息を

あなたの言葉 知らない だけれど

あなたの匂い 忘れられない

 

 この曲は令和初のシングルで、私なりの「平成」という時代への別れの手紙だった。

 

 話がそれたが、私はよほど憂鬱だったのだろう。「心の雨」というワードに引っ張られるがまま、数ヶ月振りとなる音楽制作を始めた。そして完成したのが、こちら。

 

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UKI EYE「CONTRAST」

UKI EYE「CONTRAST」

  • Tracklist
  1. 心の雨
  2. Living Art
  3. セグウェイに乗って
  4. 𝓗

 

9/11(金)に各種DL・ストリーミングサービスにて正式リリースします

 

 絶滅危惧種となった、夏の豪華4曲入りシングルだ。

 梅雨から夏の終わりまでを4曲に分けて、憂鬱と怒りと感傷と確信を表現した。虹の架かった美術品の私が、どこかのカフェや誰かの暗い部屋に飾られているイメージをジャケットで表現した。

 そして、当初はホンソクと無関係な作品になる予定だった。実際、私の何気ないツイートに私のライバルが「アンセムになりそうな着眼点」と反応した事から、「Living Art」が生まれた。

 

 

 この曲には、自分の欠陥を認め、それを直したい欲望と、直さなくても自分は最高だというメッセージを込めている。そして、それを誰かにジャッジされる筋合いはないという怒りが炸裂している。 たとえ誰かに転ばせられようと、それすら自分を高める道具に使ってやろうと。

 

 

 この曲は私が初めて、真剣にMVを撮りたいと思った曲だ。私のTwitterのTLにいるディーヴァたちを招集して、ソーシャルディスタンスに配慮しつつ、各々がまさに"Living Art"として好きなように踊り狂うさまを映像に残したい。

 このシングルの制作中、私は誰かの曲が賞賛されるたび、または日本の音楽は終わったと言われるたび、内心腹を立てていた。「その曲と同じテーマを私の曲も持ってるし、第一、日本にはまだ私がいる!」と。

 だからこの曲は、私の怒りがアートという花を咲かせる事の証明だ。

 

かなしみを金にして

怒りで花を咲かせて

その全てが愛に基づいて蠢いている

 

 

 

 さて。ここまでは、ホンソクとはまったく無関係の両A面シングルにしようと思っていた。しかし、ホンソクがセグウェイを使っている事実を知った私が、過去に冗談で曲名をツイートしていた事を思い出した。それならホンソクと無関係の曲とホンソクに宛てた曲を半々にしてパッケージングしようと思い立ち、そこで「CONTRAST」というタイトルとこの夏の豪華4曲入りシングルという形態の構想ができた。

 

 

 殴ってください。

 しかし、ホンソクのジェンダー観が日々アップデートされている事に気づいた私はひどく感動し、そもそも私自身が性別ほど意味のないものはないと思っている事もあり、性別を限定しない「セグウェイに乗って」にタイトルを変えて制作する事にした。

 そして恋の病が悪化した私は、夢々しい夏の爽やかデートソングを完成させた。実際にセグウェイで並んで走っている図を想像するとなかなかシュールだが、それがいい

 

 

  また、タイトルが「CONTRAST」なだけあって、対になる曲が必要だと考えた。そこで生まれたのが、「𝓗」である。これは浜崎あゆみの「𝓜」を参考にした。ドラマ『𝓜 愛すべき人がいて』を楽しんでいた事もあり、𝓜が'MARIA'ではなく𝓜𝓪𝓼𝓪だったように、私も𝓗を𝓗𝓸𝓷𝓰として作ろうと思った。𝓗は'HALLELUJAH'だとすぐに思いついた。

 浜崎あゆみの「𝓜」は、決して明るい曲ではない。むしろ別れの歌だと私は思う。だから、「𝓗」を夢々しいラブ・バラードにする気は毛頭なかった。「セグウェイに乗って」が"夢々しさ担当"だった為、それと"CONTRAST"させるには、生々しさに溢れる内容にするべきだと思った。そして夏のせいで身も心もボロボロだった私が書いた曲と歌詞には、それが見事に反映された。こんなに暗い曲を推しに宛てていいのか? とも思ったが、これは決して悲しい曲ではない。

 浜崎あゆみの「𝓜」が別れの歌でありながら𝓜を「永遠の人」に決定付けたように、「𝓗」も暗い歌でありながら、その暗闇の中でこれまでの日々を振り返り、ホンソクに「出会えてよかった」という答えに辿り着く。それは真実の𝓛𝓸𝓿𝓮を意味し、同時に暗闇に差す一筋の光のようにも思える。奇しくも、夏が終わると、私の気分は上を向く。

 ホンソクという光に、私は最後、こう問いかける。

 

一生一緒にと手を振った

Surely, my last love

Can you be my last?

 

 お姫様君と千年万年いたいよと歌う「Naughty Boy (Japanese ver.)」のパフォーマンス中にホンソクが私に手を振った事から、すべては始まった。その時、私はこの物語に『Truly, My First Love』(=本当の初恋)と名前を付けた。そして今、私はこの物語は「きっと最後の恋」になると思い始めている。

「そんな私の最後になってくれますか?」――そう余韻を残して、本作は幕を閉じる。この物語の結末は、誰にもわからない。

 

 最後に、この曲の核となった「𝓜」のフレーズを貼ってこの記事を終わります。

 

だけど信じていたい

だから祈っているよ

これが最後の恋であるように

 

 

 

 ちなみに、今回からジャケットに名前は入れない事にした。私の名前を知らなくても、曲だけで独り歩きできるように。私が死んでも、私の曲が生き続けるように。そしてユーミンも言うように、詠み人知らずとして歌い継がれていくように――。

 

 

2020/09/05